■「音楽を学ぶ」ということについて

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『Mitaniヴァイオリン教室』は、ヴァイオリン音楽を通して子供たちの健全で情緒豊かな感性を育てることに尽力しております。音楽の本質的な素晴らしさを伝え、テクニックをつけることの本来の目的を実質的に感じてもらいながら、楽しむ音楽を一緒に味わていきたいと思います。技巧的なことのみに捕らわれて

「音楽」を見失うことのないように。

「楽しむ」「感じる」ことこそ今の子供たちの感性を育てるのに最も必要だと感じています。

音楽を通じて心豊かな人間を育てることを目的とする驚きの教育方法があります。

1946年 ヴァイオリニストの鈴木鎮一先生による鈴木メソッドの概念に私は深く感銘を受けました。

鈴木 鎮一(すずき しんいち、1898年10月17日 - 1998年1月26日) は日本のヴァイオリニスト、音楽教育家 。ベルリン高等音楽学校教授カール・クリングラーに師事 。 スズキ・メソードの創始者であり、世界的には音楽教育家および教育学の理論家として著名で、その教育理論は、日本よりも欧米で、とりわけアメリカ合衆国で高く評価されている 。

幼いうちから良質な音楽を繰り返し聴き、奏でることは、子ども達にどのような成長をもたらすのでしょうか。

 

 AI(人工知能)時代に向けて、子ども達が将来、充実した人生を送り、社会で活躍する人間になるには、幼少時にどんな能力を伸ばしておくべきなのか、親御さん達にとっては悩ましいところです。

 

「1年でも早く我が子に英語を覚えさせようか、プログラミングも学ばせた方がいいだろうか」と浮き足立ち、

「でも、サッカーなどのスポーツもやらせたいし…」と、あれこれ思いを巡らす事もあるかと思います。
三児母の私もその一人です、、

  

ただ、ノーベル経済学賞を受賞したジェームズ・ヘックマン教授は、著書『幼児教育の経済学』の中で、学校に入って習うであろうということを、幼少期に1~2年先行して学習を始めても、小学校の高学年になるとその差はほとんど見られなくなると述べています。

 

では、幼少期に養うべき力とは何なのか。

それは学校で習うような技術や知識ではなく、「非認知能力」。つまり、忍耐力・協調性・集中力といったものです

。例えば、粘り強さは生まれつきの性質のように思いがちですが、家庭での幼児教育によって伸ばせるのだとヘックマンは強調しています。

 

鈴木先生は、

「音楽を教えることが私の一番の目的ではありません。

私は人を育てたいのです。良い音楽を聴き、演奏することを学べば、子ども達は感受性、規律、忍耐力などを身に付けることができます」とおっしゃっています。

「非認知能力」は幼少期に伸ばすべき能力であることを何十年も前によくわかっていらっしゃいました。

 

私は鈴木慎一先生の著書を何冊も熟読し感銘を受け、まさに音楽に携わる真の素晴らしさはここにあると実感いたしました。

 

また、「ヴァイオリン楽器という、言わば一つのツールを使用し、奏でた音を楽しむ」ことが音楽であり、自分のテクニックをただ誇示するような演奏ではなく、音楽を魂で感じ取り、心から感動できる情緒豊かな人間性を育んでいくことこそ、音楽が持つ素晴らしい力であると思います。

 

鈴木先生は生徒が一曲弾けるようになってからこのようにおっしゃっています。

「さあ、ここからが本当の音楽です。この曲を素晴らしく弾けるように仕上げていきましょうね」

 

何を弾くかではなく、どのように弾くか。

上達の最良の方法、そして近道について、かつて読んだ本のなかに、忍術の修行法のことがありました。

 

そのうちの、高跳びの術の取得法として、

麻の種子をまいて育て、その上を毎日跳び越えること

 

ということが書かれており、それこそが非凡な能力を育てる方法として最良の方法であると説かれていました。

 

ー麻は、その成長が速い。しかし、毎日これをみている人には、その成長度がわからない。けれども、麻は休みなく、刻々に生長している。この麻の上を休みなく毎日飛び越えていれば、麻の生長にきづかないまま、麻とともに、自分の跳躍能力は日毎に伸びていく

 

バイオリン練習においても、先を急がず、日々怠ることなく毎日少しずつ練習を積みかねていくことが一番大切です。

本来人間はせっかちで、先にどんどん進みたくなる、難しい曲を早く弾いてみたくなるのですが、その方法には無駄があり、かえって遠回りなのです。これでは非凡な力は養われません。

 

レッスン日以外で楽器に携わる自宅での練習、習慣がとても大切です。毎日バイオリンを練習する時間帯をきちんと決めて、習慣化していけるよう、親御様のお力をお借りすることができれば、きっと子供たちの音楽の才能の芽が開花してくると信じています。